肉は、薄毛予防に効果が期待できる食材の一つとして注目されています。
肉に含まれる良質なタンパク質は、髪の成長に必要不可欠な栄養素です。
特に、赤身の肉には鉄分が豊富に含まれており、貧血を防ぎ、健康な頭皮環境を保つのに役立ちます。
また、亜鉛やビタミンB群も肉に多く含まれており、髪の健康維持に重要な役割を果たしていますが、だからといって肉ばかり食べていると逆効果になることもあります。
今回は、肉に含まれる栄養素と薄毛予防、肉を食べすぎた際のデメリットについて解説します。
髪の毛に良い、肉に含まれる栄養素とは?
- タンパク質
- 鉄分
- ビタミンB群
- 亜鉛
- ビタミンD
- コラーゲン
肉に含まれるタンパク質とその効果
肉には様々な種類のタンパク質が含まれます。以下にそれぞれの役割を示します↓
① 筋肉の成長と修復
トレーニングや日常の活動で受けた筋肉のダメージを修復し、新しい筋肉を作ります。特に筋力トレーニングや運動後にタンパク質を摂取することで、筋肉を構成する筋繊維が太く丈夫になっていきます。
② 免疫システムのサポート
体内に侵入した病原菌やウイルスと戦うための抗体や免疫細胞を作ります。
③ ホルモンや酵素の生成
体内の内分泌腺(例: 甲状腺、副腎、膵臓、性腺など)で特定の化学物質(ホルモンや酵素)が合成され、特定の細胞や器官に働きかけます。
④ エネルギー供給と満腹感の増加
肉に含まれるタンパク質は、体に必要なエネルギーを効率よく供給し、全身の代謝を高めて体力を回復させるのに働きかけます。夏バテ防止に肉を食べるとよいのはそのためです。
また、タンパク質は消化に時間がかかるため、食事後に満腹感を与え、過食防止にもなります。
赤身肉と薄毛予防の関係:鉄分の重要性
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品、非ヘム鉄は大豆などの植物性食品に多く含まれます。
赤身肉には多くの鉄分(ヘム鉄)が含まれており、体内での吸収率が高く、体に吸収されやすいです。
ヘム鉄を含めた鉄分には、血中の酸素を全身の細胞に運ぶ役割があり、毛根の細胞も酸素を必要としています。
毛根の細胞に十分な酸素が行きわたらないと、ヘアサイクルが乱れたり、ハリやコシがなくなったりします。
そのため、鉄分が不足すると髪の毛も酸素不足で貧血のような状態になってしまい、脱毛や薄毛のリスクが高まってしまいます。
亜鉛とビタミンB群が髪に与える影響
亜鉛の役割
- 毛根の細胞分裂を促し、ヘアサイクルを整え、健康な髪の成長を維持する。
- AGAやFAGAなどの薄毛に関与するホルモン(テストステロン)のバランスを調節します。
- 酸化ストレスダメージから毛根を保護します。
ビタミンB群の役割
- 毛髪の成長をサポートし、強く健康な髪を育てます。
- タンパク質の代謝やホルモンバランスの調整
- 赤血球の生成を助け、毛根に酸素を届けたり、血行を促す。
肉を食べすぎると逆効果?バランスの重要性
肉は栄養豊富で髪にも良い成分が含まれていますが、たくさん食べすぎると髪や頭皮の健康を逆に悪化させてしまうこともあります。
肉には、飽和脂肪酸やコレステロールが含まれており、脂肪が血管に蓄積してしまうと血流が悪化。
毛根に十分な栄養や酸素が届かず、髪のハリ・コシの低下や薄毛リスクを増加させてしまう恐れもあります。
要はバランスです。
いろんな食品から様々な栄養を摂取することで、髪の健康は維持されていきます。
薄毛予防におすすめの肉の種類と摂取方法
薄毛予防のためには、髪の主成分であるケラチンの生成のために、鶏肉や豚肉、牛肉から良質なタンパク質を摂取することが重要です。
特に、赤身の肉(牛肉や羊肉など)は鉄分を補うためにおすすめです。ビタミンC(ブロッコリー、ほうれん草、レモンなど)を含む食品と一緒に摂取すると、鉄分の吸収効率がアップします。
牛肉や鶏肉には亜鉛も豊富に含まれています。鶏肉は高タンパク、低カロリーな食材のため、昨今注目されています。
牛肉、鶏肉、豚肉を使ったレシピをそれぞれご紹介します↓
-牛肉とほうれん草のサラダ-
<材料>※2人分
- 赤身の牛肉 (ステーキ用) – 150g
- ほうれん草 – 100g
- トマト – 1個
- 赤玉ねぎ – 1/2個
- オリーブオイル – 大さじ2
- レモン汁 – 大さじ1
- 塩・コショウ – 適量
- ビタミンCを補うためのレモンやパプリカを添えても良い
①牛肉に塩・コショウで下味をつけ、グリルまたはフライパンで焼く。焼き加減はお好みで。
②ほうれん草はさっと茹でて水気を切る。
③トマトと赤玉ねぎを薄切りにする。
④オリーブオイルとレモン汁を混ぜたドレッシングを作る。
⑤皿にほうれん草、トマト、赤玉ねぎを盛り付け、その上にスライスした牛肉をのせる。最後にドレッシングをかけて完成。
-鶏むね肉の亜鉛たっぷり焼き-
<材料>※2人分
- 鶏むね肉 – 200g
- アーモンド – 30g
- パン粉 – 30g
- オリーブオイル – 大さじ1
- 卵 – 1個
- 塩・コショウ – 適量
- パセリやレモンを添えても良い
①鶏むね肉を一口大に切り、塩・コショウで下味をつける。
②アーモンドを細かく砕いてパン粉と混ぜる。
③鶏むね肉を溶き卵にくぐらせた後、アーモンドとパン粉の混合物をまぶす。
④フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏肉を両面こんがりと焼く。
⑤焼き上がった鶏肉を皿に盛り付け、パセリやレモンを添えて完成。
-豚肉と野菜の炒め物-
<材料>※2人分
- 豚ロース肉 – 150g
- ブロッコリー – 100g
- にんじん – 1本
- 玉ねぎ – 1/2個
- しょうゆ – 大さじ2
- みりん – 大さじ1
- にんにく – 1片
- 生姜 – 少々
- ごま油 – 小さじ1
①豚ロース肉を薄切りにし、しょうゆとみりんで下味をつける。
②ブロッコリーは小房に分け、にんじんは細切り、玉ねぎは薄切りにする。
③フライパンにごま油を熱し、にんにくと生姜を炒める。
④下味をつけた豚肉を加え、色が変わるまで炒める。
⑤ブロッコリー、にんじん、玉ねぎを加えてさらに炒める。塩・コショウで味を調え、全体に火が通ったら完成。
まとめ:管理栄養士が伝授する、健康な髪を育てるための食事のポイント
今回は、肉に含まれる栄養素と薄毛予防、肉を食べすぎた際のデメリットについて解説しました。
肉には、タンパク質やビタミンB群、鉄分や亜鉛などのミネラルなど、髪に必要な栄養素が豊富に含まれていますが、食べすぎると薄毛を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。
健康な髪を育てるための食事のポイントは、バランスの取れた栄養摂取が基本です。
まず、髪の主成分であるケラチンを作るために、良質なタンパク質(魚、肉、豆類)を摂取しましょう。
また、ビタミンA、C、Eは髪の健康を支える抗酸化作用を持ち、緑黄色野菜やフルーツから得られます。
亜鉛や鉄分も必要で、ナッツやほうれん草などがおすすめです。
オメガ3脂肪酸も髪のツヤを保つために重要で、魚やアボカドから摂取できます。
様々な食材をバランスよく普段の食事に取り入れながら、健康な髪を育てていきましょう。